Takeshi Fukao, Department of Mathematics, Kyoto University of Education

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非線形発展方程式セミナー@KUE

発展方程式

 無限次元関数空間上の常微分方程式を総称して発展方程式と呼ぶ。 特に時間変数についての常微分方程式を適切な関数空間上で考察することで、様々な現象を記述する偏微分方程式がこの枠組みで取り扱えることがよく知られている。 現代では時間微分を含む様な偏微分方程式を総称して発展方程式と呼ぶこともある。

セミナーの趣旨

 線形、非線形に関わらず発展方程式やその応用、さらに広くは時間発展偏微分方程式とその周辺に関連する話題について、研究者間の情報共有並びに大学院生の学びの動機付けを目的としてセミナーを不定期で行っている。

開催責任者 深尾 武史(京都教育大学)

2020年度のセミナー

    第9回非線形発展方程式セミナー@KUE

  • 日時: 2020年5月26日(火)16:30-18:00
  • 場所: zoomミーティング
  • 講演者: 喜多 航佑 氏(早稲田大学大学院 先進理工学研究科)
  • 題目: On some nonlinear heat equations with nonlinear boundary conditions of radiation type
  •  本発表で、境界において非線形放射を課す場合に相当する非線形境界条件を伴う熱方程式について考える。 研究の物理的背景やモチベーションについて解説した後、劣微分作用素に支配される非線形発展方程式の抽象論を用いて局所適切性を述べる。 発表の後半では、非線形境界条件下での非線形熱方程式の爆発解の存在を Kita-Ôtani (準備中)で得られた比較定理に従い証明する。 また、時間大域解の漸近挙動について最近研究していることについて説明する。なお、本発表の後半は大谷光春名誉教授(早稲田大学)との共同研究に基づく。

    第10回非線形発展方程式セミナー@KUE

  • 日時: 2020年6月30日(火)16:30-18:00
  • 場所: zoomミーティング
  • 講演者: 佐藤 龍一 氏(東北大学 数理科学連携研究センター)
  • 題目: 非線形境界条件付き拡散方程式の解の存在と爆発
  •  この講演では非線形境界条件付き拡散方程式(熱方程式)の解の存在および解の爆発について考える。 まず初めに、熱方程式の導出について整理し、方程式と併せた境界条件の導出方法について紹介する。ただし、この導出方法はやや強引な部分も見受けられる。 その後、線形拡散の場合を中心に基本的な事柄について、Ishige-Sato(2016, 2017)の結果を中心に紹介する。 残った時間で非線形拡散の場合の結果についてSato-Takahashi(2020)に関連する結果を紹介する。 線形拡散の部分に関しては東京大学の石毛和弘先生との共同研究、非線形拡散の部分に関しては東京工業大学の高橋仁氏との共同研究を含む。

    第11回非線形発展方程式セミナー@KUE

  • 日時: 2020年7月21日(火)16:30-18:00
  • 場所: zoomミーティング
  • 講演者: 小杉 千春 氏(日本女子大学大学院 理学研究科)
  • 題目: 弾性体の伸縮運動を表現する初期値境界値問題について
  •  本研究では、輪ゴムのような弾性体を平面上の閉曲線とみなして、その伸縮運動を表現する数理モデルについて考察している。 これまでの研究により、弾性体の伸縮運動を記述する常微分方程式モデルを構築し、その解の存在と一意性について示すことができた。 また、構造保存数値解法により、数値解の存在とその収束に関する結果も得られている。 本セミナーでは、常微分方程式モデルに関する諸結果を紹介した後、常微分方程式モデルから導出される偏微分方程式モデルの初期値境界値問題Pについて考える。 本研究では、歪みを位置を表す関数の導関数の絶対値、応力を非線形リプシッツ関数で定義していることから、強解の存在は期待できない。 そこで、ここでは、問題Pの弱解を定義し、Galerkin法を用いた弱解の存在の証明の概略について述べる。 なお、本研究は、愛木豊彦教授(日本女子大学・理学部)との共同研究に基づく。

    第12回非線形発展方程式セミナー@KUE

  • 日時: 2020年9月15日(火)16:30-18:00
  • 場所: zoomミーティング
  • 講演者: 小杉 卓裕 氏(公立鳥取環境大学 人間形成教育センター)
  • 題目: ある障害物問題の近似解の収束率及び勾配拘束問題との関連
  •  Bellman方程式で書かれる障害物問題について考える. 障害物問題はしばしばペナルティ法により近似解が構成される. 本講演ではペナルティ方程式の基本的な扱いについて紹介し, 2010年に L. C. Evans が導入した非線形随伴法を用いて近似解の収束率を求める. また, 勾配拘束問題との関連についても紹介する. 本講演の内容は早稲田大学の小池茂昭教授, 内藤誠氏との共同研究を含む.

    第13回非線形発展方程式セミナー@KUE

  • 日時: 2020年10月20日(火)16:30-18:00
  • 場所: zoomミーティング
  • 講演者: 内田 俊 氏(大分大学理工学部)
  • 題目: p-ラプラシアンを主要項に持つ二重非線型放物型方程式の適切性について
  •  主要項がp-ラプラシアンであり,時間微分項に多価極大単調グラフを持つ二重非線型放物型方程式について考察する。 極大単調グラフがべき乗である場合(Porous medium/fast diffusion型)については非常に多くの先行研究があり,適切性だけでなく解の絶滅現象(extinction)の有無についても精査されている。 一方でMiyoshi–Tsutsumi(2016)は一般化Carlemanモデル(速度を2成分に限定した希薄流体モデル)の特異極限として,対数型の非線型性を持つ放物型方程式(極大単調グラフが指数関数である場合に相当)を導出した。 本講演ではこれらを含む多様な拡散現象のモデルへの応用を目指し,極大単調グラフに増大度,強圧性,一価性などの条件を可能な限り課さずに解の存在と一意性を示すことを目的とする。 また本講演の前半では本問題の導入として,対象とする方程式を発展方程式論的な立場から概説する。

    第14回非線形発展方程式セミナー@KUE

  • 日時: 2020年11月17日(火)16:30-18:00
  • 場所: zoomミーティング
  • 講演者: 久保田 翔大 氏(千葉大学大学院 融合理工学府)
  • 題目: 結晶粒界運動のフェーズ・フィールドモデルと制約条件付きの温度制御問題
  •  本講演では, 「Kobayashi-Warren-Carter 型」として知られる結晶粒界運動のフェーズ・フィールドモデルに対する温度制約条件付きの最適制御問題を考える. このモデルは2つの放物型偏微分方程式に対する初期値境界値問題として定式化される. 特に結晶方位の支配方程式には「特異拡散」と呼ばれる項が含まれ, この特異拡散を緩和した近似問題の設定が, 数学解析を行う上で重要となる.
     本講演は大きく前半部と後半部の2つのパートに分かれる. 前半部では, Kobayashi-Warren-Carter 型の数学モデルを適切なヒルベルト空間上での一つの発展方程式によって書き換え, この数学モデルと緩和問題全般の適切性に関して,非線形発展方程式の理論による統一的な扱いが可能であることを示す. その上で後半部では, Kobayashi-Warren-Carter 型数学モデルに対する最適制御問題に話題を移行し,「最適制御の存在」「近似問題との連続な接続」「最適性の必要条件」等の課題に関して最近得られた研究成果を報告する.
     なお,本講演は,白川 健氏(千葉大・教育), 山崎 教昭氏(神奈川大・工), Harbir Antil 氏(George Mason Univ., USA)との共同研究に基づく.

    第15回非線形発展方程式セミナー@KUE

  • 日時: 2020年12月15日(火)16:30-18:00
  • 場所: zoomミーティング
  • 講演者: 吉澤 研介 氏(東北大学大学院 理学研究科)
  • 題目: The obstacle problem for a fourth order semilinear parabolic equation
  •   本講演では、半線形四階放物型障害物問題を考える。 本問題は、形式的には、障害物を表す既知関数による外的束縛条件の下での、 あるエネルギー汎関数に対するL2-勾配流とみなすことができる。 問題が高階であることや外的束縛の存在から、可解性を示すには minimizing movements とよばれる変分的時間離散近似解法が有効であると考えられるが、 このエネルギー汎関数は下に非有界であるため、どのように適用するかは自明ではない。 また、外的束縛の存在により解の正則性が一般に失われることから、 エネルギー汎関数の時間に関する連続性は期待できない。 そのため、可解性が示されたとしても、本問題の解が実際にL2-勾配構造を持ち得るかは 明らかではない。 本講演では、上述の放物型障害物問題に対する

    (i) minimizing movements を用いた弱解の構成、
    (ii) 弱解のエネルギー勾配構造

    について得られた結果を述べる。 また、時間が許せば弱解の爆発について得られた結果も紹介したい。 なお、本講演は岡部真也氏(東北大学)との共同研究に基づく。

    第16回非線形発展方程式セミナー@KUE

  • 日時: 2021年1月19日(火)16:30-18:00
  • 場所: zoomミーティング
  • 講演者: 来間 俊介 氏(東京理科大学 理学部)
  • 題目: 放物型・楕円型走化性方程式系に対するCahn-Hilliardアプローチ
  •  非線形拡散方程式系とCahn-Hilliard方程式系との関係についての研究はColli-Fukao (2015, 2016) によって既に行われていた. より詳しくは, Colli-Visintin (1990) が構築した抽象発展方程式の理論の適用によってCahn-Hilliard方程式系の解の存在は示され, 極限操作によって非線形拡散方程式系の解の存在は示されていた.
     本研究では, Cahn-Hilliard型走化性方程式系を考え, 時間離散化による近似方法等によって解の存在を示し, 極限操作によって放物型・楕円型走化性方程式系の解の存在を示す.

    第17回非線形発展方程式セミナー@KUE

  • 日時: 2021年2月16日(火)16:30-18:00
  • 場所: zoomミーティング
  • 講演者: 香川 渓一郎 氏(早稲田大学大学院 先進理工学研究科)
  • 題目: Dirichlet境界条件下でのViscous Cahn–Hilliard方程式の初期値問題
  •  本講演では斉次Dirichlet境界条件におけるViscous Cahn–Hilliard方程式の初期値問題を考察する. Kagawa–Ôtani (2020) は非線形項を極大単調項と摂動項に分解できる設定の下で強解の存在を示したが, ここでは解の存在定理の証明でポイントとなるアプリオリ評価について解説を行う. またこの議論に多少の変更を加えることで,Viscous Cahn–Hilliard方程式の強解をCahn–Hilliard方程式の弱解へ漸近させる 粘性係数の0-極限の問題 (Kagawa–Ôtani (準備中)) へ援用できることにも触れる. 講演の前半で必要な補題と前提知識を紹介し,後半では主題であるアプリオリ評価の解説を行う. 本講演の内容は大谷光春氏(早稲田大学名誉教授)との共同研究に基づく.

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