第21回「これからの算数・数学教育を考える会」を開催しました
2月24日(土)に、第21回「これからの算数・数学教育を考える会」をオンライン開催しました。
この会は、京都教育大学の第4期中期目標・中期計画の取組の一環として、大学と附属学校等が連携して算数・数学のカリキュラムを開発・実践し、
広く学校現場への発信・交流を目的にしています。
会ではまず、今澤宏太教諭(大阪教育大学附属天王寺中学校)から「micro:bitを活用したデータの分析」についての発表がありました。
中学生の統計的探究力を育成するために、問いの設定、計画の立案に思考支援ツールを、情報収集や統計分析にmicro:bitや表計算ソフト等を
効果的に活用する実践事例が報告されました。質疑では、統計的探究プロセスの段階ごとの学びの深まりや指導上での困難点について議論されました。
続いて、松田和真教諭(山梨県都留高等学校)から「いろいろな平均について ~相加・加重・相乗・調和~」についての発表がありました。
高校生が相加・相乗・調和平均の関係性を協働的に学び、それらを金融に関わる問題解決につなげることで数学の有用性を高められる授業実践が報告されました。
質疑では、生徒に数学の有用性を実感させたり、式や証明に対する意味理解を深めたりする指導のあり方について議論されました。
最後に、黒田恭史教授(京都教育大学数学科)から「「数と計算」領域における暗算・概算指導のあり方再考」についての発表がありました。
日本では、暗算・概算指導は、特定の学年で少しだけ扱いますが、シンガポールでは低学年の段階からかなり系統的に扱うことが報告されました。
ICT活用が前提となるこれからの社会における暗算・概算指導の教育的意義について改めて議論する必要があることが確認されました。
会には、12名が参加されました。次回は2024年5月にオンライン開催で実施します。
第20回「これからの算数・数学教育を考える会」を開催しました
11月25日(土)に、第20回「これからの算数・数学教育を考える会」をオンライン開催しました。この会は、京都教育大学の第4期中期目標・中期計画の取組の一環として、大学と附属学校等が連携して算数・数学のカリキュラムを開発・実践し、広く学校現場への発信・交流を目的にしています。
会ではまず、金尾義崇教諭(敬愛小学校)から「図形の見方を豊かにする活動~四角形で思い切り遊ぶ!~」についての発表がありました。自作教具「テトラウノ」を用いて、児童が四角形のきまりや性質を学び、四角形の相互関係を理解できる実践事例が報告されました。質疑では、図形間の関係を整理・類別する活動が図形指導で重要であることや本教具を扱う上での留意点などについて議論されました。
続いて、福岡健司教諭(立命館中学校・高等学校)から「一次関数(ダイヤグラム)の考察と数学的モデリング」についての発表がありました。生徒にとって身近なものを題材に現実問題を設定し、それを関数や図形の考え方を活用して解決につなげる数学的モデリング型の授業実践が報告されました。質疑では、授業を受けた生徒の学習の様子や、中学校数学における関数指導のあり方などについて議論されました。
最後に、黒田恭史教授(京都教育大学数学科)から「小・中接続(算数の教科担任制)を意識した「数と計算」の指導のあり方」についての発表がありました。今回は数と計算の中の「分数」に着目して、2年生から6年生までの扱いの特徴について、「量あり、数直線、量なし」分数に分類して検討し、その中で3年生と5年生の分数の扱いがポイントになることについて議論されました。
会には、44名が参加されました。次回は2024年2月24日(土)14:00~15:30にオンライン開催で実施します。